PROBLEM
解決したい課題
スキルの「配る」をなくす
スキルは強力ですが、配るのが大変。メンバーそれぞれがファイルを正しい場所に置き、更新が出るたびに配り直す。エージェントを乗り換えれば手順も変わります。この配布コストが、チーム導入の一番の壁になっています。
インストールの敷居
ファイル配置も環境差異もバージョン管理も個人任せ。非エンジニアには最初の1個が重い。
更新の配り直し
スキルを直すたびに全員へ再配布。誰がどの版を使っているか、もう追えない。
エージェント間の分断
Claude Code用のスキル資産は、Codexからそのままでは使えない。
MCPGATEの答えはシンプルで、中間にゲートを1枚置くだけ。スキルはゲートに集約し、メンバーはゲートのURLへ1回接続する。以後の追加・削除・更新は、すべてゲート側の操作で完結します。
MECHANISM
仕組みの核
ツール3本で全スキルを運ぶ
中身はMCP(Model Context Protocol)のリモートサーバーです。設計に入る前に、紛らわしい用語を1つほどいておきます。
| 呼び名 | 実体 | MCPGATEでの役割 |
|---|---|---|
| リモートMCP | Streamable HTTPのURLで接続するMCPサーバー。Claude Codeは claude mcp add、Codexは codex mcp add(2026年3月〜、OAuth自動検出)、claude.aiはカスタムコネクタ登録。3つとも同じURLで繋がる | 本体。「URLコピペで接続」の体験を支えるのはこちら |
| WebMCP | サイトのツールをブラウザ内エージェントへ公開するCloudflareの機能(Chromeの実験実装向け) | 補助。管理画面をブラウザエージェントからも操作できるようにする程度 |
設計の核は、スキルを何個載せてもエージェント側のツール数を増やさないことです。スキルを30個そのままツールとして並べると、エージェントは毎ターン30個分の定義を読み込み、コンテキストが太って選び間違いも増える。そこでゲートが公開するのは3本のメタツールだけに固定します。
管理画面のトグルは、データベースの1行を書き換えるだけ。次の list_skills から返答が変わるので、メンバー側の再設定は一切いりません。「10個入れても20個入れても、接続はゲート1つ」という体験は、この構造から生まれます。
DELIVERY
配送方式
スキルの届け方は3方式
「スキルを届ける」にはやり方が3つあります。MCPGATEでは1つのゲートに3方式が同居でき、スキルごとに向いたものを選ぶ設計です。
ガイド注入型
get_skill がスキルの手順書を返し、接続先のエージェントがその場で読んで従う。スキルの中身を更新すれば、次の呼び出しから全員に反映される。
向き: ローカルのファイル操作や既存ツールとの組み合わせを含むスキル
実行型
スキルのロジックをゲート側(Workers)で実行し、結果だけを返す。利用者の環境構築はゼロ。外部APIを使う処理は、利用者自身のAPIキーを引数で受け取り保存しない。
向き: 画像生成・ファイル変換など、どこで動いても同じ結果になる処理
インストール型
スキル一式をファイルとして返し、エージェントにローカルへ保存させる。「スキルをサクッとインストール」を文字どおり実現する方式。
向き: オフラインでも使いたい定番スキル、エージェント固有機能に深く依存するもの
ARCHITECTURE
システム構成
サーバー管理ゼロの構成
構成要素はすべてCloudflareで完結します。WorkersがMCPの入口と管理画面を兼ね、契約・スキル・トークンはD1に、スキルの実体はR2に置く。一番外側にOAuth 2.1の接続ゲートを立て、有効なトークンがなければツール一覧すら見せません。
固定費はWorkers Paidの月5ドルから。D1・R2・KVは無料枠が大きく、サーバーの保守対象がそもそも存在しません。
REQUIREMENTS
要件定義
MVPで作る範囲を固定する
機能要件を3グループ、非機能要件を1グループに分けて確定します。ここに載っていないものはMVPでは作りません。
管理者ADMIN
- チーム作成・メンバー招待・権限管理
- スキル登録(アップロード)とバージョン管理・変更履歴
- スキルのオン/オフ切り替え(即時反映)
- メンバー別トークンの発行・失効
- メンバー向け接続ガイドの自動生成(URLと手順を送るだけ)
- 利用ログの閲覧(誰が・どのスキルを・何回)
利用者MEMBER
- URL1本+OAuthで接続完了
- list_skills には自チームの有効スキルだけが並ぶ
- スキルの増減があっても再設定は不要
- Claude Code/Codex/claude.aiのどれからでも同じ接続手順・同じスキル一覧
課金BILLING
- Stripe Checkoutでのサブスク登録・解約
- Webhook受信でプラン状態を即時反映
- プラン超過時はスキル数・シート数をロック
- 請求書・領収書はStripe標準機能に委譲
非機能・セキュリティNON-FUNCTIONAL
- テナント間の完全分離(他チームのスキル・ログは一切見えない)
- スキル本文はプロンプトインジェクションの配送路になり得る。登録権限を管理者に限定し、バージョン固定とツール説明文の変更検知で守る
- トークン失効は次のリクエストから即時
- OAuthが不安定なクライアント向けにBearer固定トークンのフォールバック
PRICING
課金設計
粗利9割の料金構造
値付けの根拠は「チームのスキル管理コスト削減」です。個人向けの安売りではなく、チーム単位のサブスクリプションに寄せます。
2026.08.15の第1回打ち合わせで、課金はユーザー単位・1人あたり月額1,280円を軸にする方針へ更新しました(11. 契約・進め方)。以下の表は企画時点の初期案として残しています。
| プラン | 月額 | 内容 | ねらい |
|---|---|---|---|
| Free | ¥0 | 1チーム/スキル3個/2シート | お試しとリード獲得 |
| Team | ¥2,980/月 | スキル30個/10シート/利用ログ | 中核プラン。中小チームの標準 |
| Business | ¥9,800/月〜 | スキル無制限/シート追加課金/監査ログ/優先サポート | 部門導入・受託運用の受け皿 |
原価はWorkers Paid(月5ドル)と各ストレージの無料枠でほぼ吸収でき、粗利率は9割を超えます。外部APIを叩く実行型スキルは利用者自身のAPIキーを引数で受け取る設計にして、API費用をゲート側で抱えません。決済はStripe Checkout、契約状態はWebhookでD1へ反映します。なおBusinessプランの監査ログはPhase 2で実装するため、MVP時点の販売はTeamまで。Businessは実装が揃ってから開放します。
POSITIONING
競合と差別化
勝ち筋は3つある
MCPを束ねる発想には先行者がいます。Smithery、Composio、mcp.runといったアグリゲーターがあり、Claude Codeに限れば公式のプラグインマーケットプレイスという無料の配布ルートも存在する。正面からぶつからず、次の3点で勝ちにいきます。
特に02は、プラグインマーケットプレイスでは代替できないMCPGATE固有の価値です。CodexはClaude形式のスキルをそのまま読めませんが、ゲートを通せば同じ資産が全エージェントで動きます。
RISKS
撤退シナリオ
終わり方を先に決めておく
うまくいく前提の計画だけでは判断を誤ります。このプロジェクトが終わるパターンを先に列挙し、それぞれに兆候と対応を決めておく。撤退の条件を数値で持っておけば、ずるずる続ける失敗だけは避けられます。
| 終了パターン | 兆候(先行指標) | そうなったときの動き |
|---|---|---|
| 致命 本家の内製化 Claude CodeやChatGPTが「チーム向けスキル配布ゲート」を公式機能として出し、「そっちでいいや」になる |
公式のコネクタ/プラグイン管理に、組織単位の配布・オンオフ・課金が載る発表 | 1社に閉じない中立ゲートと日本語スキル資産へ軸足を移す。AnthropicとOpenAIの両方が公式化したら新規開発を止め、既存契約を守る縮退運用へ |
| 致命 需要が浅い 個人はコピペで足り、企業はセキュリティ審査で入れない。その間で市場が消え、まったく購入されない |
クローズドβで無料でも継続利用されない。管理画面が開かれない | 撤退ラインどおりに停止。作ったスキル資産と知見は研修・受託・発信コンテンツへ転用する |
| 致命 セキュリティ事故 スキル経由のプロンプトインジェクションや情報漏えいが1件でも起きる |
スキル本文・ツール説明文の不審な書き換え検知、想定外の外部送信 | 即時停止と利用チームへの開示を先に手順化しておく。「実行型は利用者自身のAPIキー」の原則を最後まで崩さない |
| 重い 無料代替で十分 プラグインマーケットプレイス+GitHub運用で「これでいい」となり、有料の理由が消える |
β参加チームから「GitHubで足りている」の声。エンジニア主体チームの解約 | 非エンジニア混在チームへ市場を絞り、管理画面・利用ログ・即時オンオフといった「運用の楽さ」で差を付ける |
| 重い MCPの世代交代 新しい標準が普及してMCPがレガシー化する |
主要クライアントのMCP対応が新機能の追加されない維持モードになる | スキル資産・テナント管理・課金はプロトコル非依存に作っておき、トランスポート層だけ差し替えて追従する |
| 中 互換性の泥沼 クライアント側のMCP実装が不安定で、接続サポートに開発時間が溶ける |
Phase 0でCodexのガイド注入型が実用にならない。接続系の問い合わせが過半を占める | 対応クライアントを絞って公式サポート表を明示。実行型スキル中心の構成に寄せる |
| 中 1人運用の限界 サポート・スキル審査・障害対応が回らず自然消滅する |
問い合わせの滞留、スキル更新の停滞 | セルフサーブを徹底し、サポート範囲をプランで区切る。回らなくなったら新規受付を止めて既存優先 |
撤退ライン感情ではなく数値と事実で判定する
- 01クローズドβ開始から2ヶ月で有料転換が0件なら、Phase 2へ進まず停止する
- 02AnthropicとOpenAIの両方が公式のチーム配布機能を出したら、新規開発を停止して縮退運用に入る
- 03セキュリティ事故が1件でも起きたら、即時サービス停止と利用チームへの開示を行う
救いもあります。構成のすべてがCloudflareの従量・低額プランに乗っているため、撤退コストがほぼゼロ。売れなくても在庫も解約違約金も残らず、失うのは開発時間だけです。だからこそ撤退ラインを守り、時間の損切りだけ正しくやる。
EXPANSION
事業の全体像
ゲートを研修の納品先にする
MCPGATEはSaaS単体で閉じません。ゲートがあると、企業への「AIエージェント導入」を研修として売りやすくなる——ここが事業全体像の要です。研修の最大の弱点は、やった後に使われないこと。ゲートがあれば、研修で作ったスキルはその日のうちに受講チーム全員へ配られ、利用ログで定着まで見えます。研修が売り切りで終わらず、ゲートの月額と次の開発テーマへつながる循環になります。
この循環を収益で見ると、性質の違う3本柱になります。
| 柱 | 商品 | 収益の性質 | ゲートとの関係 |
|---|---|---|---|
| SaaS | MCPGATE利用料 | ストック(月額) | 本体。研修と伴走の受け皿になる |
| 研修 | AIエージェント導入研修(既製スキルを使う側の体験から) スキル開発研修(作る側を育てる・内製化) |
スポット(先に売れる) | 成果物がそのままゲートに載る。撤退シナリオ「需要が浅い」への収益ヘッジにもなる |
| 伴走 | 内製化顧問・スキル棚の運用代行 | 継続(月額) | ゲート管理者を代行する形。スキル棚が育つほど解約されにくい |
順番も決まっています。研修が先、SaaSが後。研修は受注確度が読めて先に現金化でき、受講企業はそのままゲートの初期テナントになる。MCPGATEは単体のSaaSであると同時に、研修・伴走ビジネスの納品先——「教えて終わり」を「使われ続ける」に変える装置です。
ROADMAP
開発ロードマップ
3フェーズで立ち上げる
技術検証
約1週間- 1テナント・手動管理のゲートを試作
- メタツール3本方式の使用感をClaude CodeとCodexの両方で確認
- ガイド注入型・実行型・インストール型を各1スキルで通す
MVP
3〜4週間- マルチテナント化と管理ダッシュボード
- Stripeサブスク課金の組み込み
- クローズドβとして2〜3チームで実運用
- 導入研修のパイロットを1社併走(成果物はゲートで配布)
- 利用規約・データ取扱い方針の整備(スキル本文と利用ログの保管)
拡張
β後- 利用量ダッシュボード・監査ログ
- スキルストア(チーム間の有償スキル配布)
- スキル開発研修を商品化し、研修→ゲート→伴走の動線を固定
- WebMCP経由の管理画面操作
最初の一歩はPhase 0の試作です。一番の未知数は「Codexがガイド注入型スキルをどこまで素直に実行するか」で、この結果次第で3方式の配分が決まります。逆に言えば、確かめるべきことはそれだけ。Cloudflareのアカウントとドメインがあれば、1週間で動くゲートまで到達できます。成功の判定は撤退ラインと対で持っておく——目安はβ開始2ヶ月で有料転換1件以上、週次で使い続けるチームが過半。ここを超えたらPhase 2へ進みます。
CONTRACT
契約・進め方
値段は1人1,280円、開発費は100万円
2026年8月15日の第1回打ち合わせで、値段設計と開発契約の条件を確定しました。議論の経緯は第1回打ち合わせ議事録にまとめています。
値段設計PRICING POLICY
- ターゲットは中小企業向け中心
- 課金はユーザー単位で1人あたり月額1,280円
- Google Workspaceより安い水準に置き、決裁のハードルを下げる
- 個人プランは当面作らない(個人アカウントでの持ち込みを防ぐ)
- スキル作成MCP・AIエージェント機能などは後からオプション課金で追加
- 立ち上げ期はマーケ施策として大幅割引キャンペーンも検討
研修との接続TRAINING
- 研修ごとにその研修用のURLを発行して受講者へ配布
- 受講者はカスタムコネクタなどにURLとキーを入れるだけで、研修用スキル一式が使える
- 「スキルを各自インストールしてください」をなくし、研修当日のつまずきをゼロにする
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 開発費 | 総額100万円(着手金50万円+納品後50万円) |
| 支払い | 着手金50万円は契約締結後すみやかに(8月下旬目安)。残りの50万円は納品後、9月中に支払う |
| 納品時期 | 9月中に一旦納品する。RealAIze側の決算が9月に締まるため、その前に支払いまで完了させる |
| 納品の定義 | 「9月末までにどこまで開発していれば納品とするか」を事前に決めておき、その範囲までを開発費100万円の対象とする |
| 追加開発 | 納品範囲を超える機能追加・大型対応は別途見積り。運用保守と軽微な修正はレベニューシェアの範囲で開発側が担当 |
契約・着手金
着手金 50万円- 契約書の締結(ドラフトは開発側で作成)
- Cloudflare専用アカウント・ドメインの準備
- 納品範囲(どこまで作れば納品か)を確定
開発
9月頭〜- 実開発スタート(開発側2名体制)
- 並行してLP・利用規約などサービスの体裁を整備
- 研修配布用URLの運用を想定した検証
納品
残金 50万円- 事前に定義した納品範囲までを納品
- 納品後50万円を9月中に収納
- 以降の追加開発・拡張は別途相談
MEETING LOG
打ち合わせ議事録
議論の経緯は別ページに蓄積する
本文には決定事項だけを反映し、議論の流れ・出てきたアイデア・将来構想は打ち合わせごとの議事録に分けて残します。
MEETING 01第1回打ち合わせ(キックオフ)
開発GOの判断、開発費100万円と9月納品の確定、1人1,280円の価格決定、会話ログを持たない設計方針の合意、管理画面に入れたい機能の洗い出し、マーケットプレイス構想までを議論。
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